この世界の片隅に


漫画雑誌を殆ど読まない為、
単行本を楽しみにしてました。

今私が最も好きな漫画家を挙げろと云われたら
迷わずこうの史代さんの名前を挙げる事でしょう。

中でも岡本一平の「隣組」を
モチーフにした
リズム感の有る話が素晴らしかった。
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隣組
飯田信夫 作曲
徳山璉 歌 (昭和15年)

一番
とんとん とんからりと 隣組 格子を開ければ 顔なじみ 
廻して頂戴 回覧板 知らせられたり 知らせたり

二番
とんとん とんからりと 隣組 あれこれ面倒 味噌醤油 
ご飯の炊き方 垣根越し 教えられたり 教えたり

三番
とんとん とんからりと 隣組 
地震や雷 火事どろぼう 
互いに役立つ 用心棒 助けられたり 助けたり

四番
とんとん とんからりと 隣組 何軒あろうと 一所帯 
こころは一つの 屋根の月 纏められたり 
纏めたり
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”ご飯の炊き方 垣根越し”
このコマからがとても秀逸です。
”地震や 雷 火事 どろぼう”
このくだり、そして最後の
”まとめたり”の落とし方といい、
歌詞と絵の対比がさすがです。

このエピソードのように、
従来の作者の持ち味と
「夕凪〜」の構築美を
掛け合わせたような作風ですね。

■ 楠公飯
不味いんでしょうね。これは。
量だけは相当増えるらしいですが。

昭和館

この炊き方が描かれているエピソードは
さんさん録」を描いた作者だからこそ。

何度も何度も再読するに耐えうる強度の作品です。
これから何度も読み返す事でしょう。


Web漫画アクション – 作品紹介 :この世界の片隅に


コメント

  1. いやぁ、僕も買いました。
    すばらしい作品ですね。
    相変わらず、ディティール
    や細かい描写を研究されてますよね。
    こういう丁寧な作品作りが
    没入感を促進してくれます。
    貧しさの中でも強く生きて
    でも、幸せになったとたんに
    消えてしまうのではないだろうか・と
    思わせるなんだか儚げな
    キャラクター作りが好きですね。
    ちなみに、この作品と一緒に
    ほしよりこ「僕とポーク」を
    買った僕は、何か間違ってますかね?

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  2. 漫画としての構成力がずば抜けていると思います。
    今回は戦中描写がメインだそうなので、
    戦後の事まで描くのかなあ。

    ほしよりこさん、読んだ事ないです。
    相変わらず、許容範囲が広いですね。
    仕方が無いので猫村jpのメルマガに登録してみました。
    機会が有ったら本屋で読んでみます。

    返信削除

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