「疎外と叛逆ーーガルシア・マルケスとバルガス・ジョサの対話」 単行本: 172ページ 出版社: 水声社 (2014/3/31) 発売日: 2014/3/31 ラテンアメリカ文学好きには避けては通れない二人の作家の対談(マルケスがインタビュー対象)、リョサによるマルケス論、「都会と犬ども」を上梓後、「緑の家」を執筆している時期のリョサへのインタビュー。そして興味深い訳者のあとがき。 マルケスが「百年の孤独」で時の人となっていた時期の対談であり、 ”話題の書”を巡り、マルケスの過去遍歴、物語の発露、構成、文章など、 目まぐるしく話題が移り変わる様が刺激的です。 いわゆる評論家然とした、解体作業的な誘導質問では無く、 純粋に「同じ作家」の立場から、その創作過程への興味が伺えるリョサの問いに対して、 飄々と解釈に迷う答えを返すマルケスが面白いですね。 当時のラテンアメリカの文壇界の版図、 構成に関する知識に乏しい為、 ”文壇は存在しない”と云った表現になんとも云えない引っ掛かりを覚えましたが、 このあたりはきちんとした知識体系を組み立ててから考えてみなければいけませんね。