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旅芸人は為すべき事を忘れ、まぼろしの市庁舎に駆け込んだ。
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Takumimi
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Takumimi
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あるく
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Takumimi
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Takumimi
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俯く事は止めたものの、
視界に映るものは、遥か彼方に聳え立つ尖塔のみ。
天を貫かんとする意図を以て建築されたのだろうか。
なんと云うか、その歪な象形は、
円環状に切り刻まれた茄子を想起させる。
茄子には生姜が合う。
生姜を擦って胡麻油を用意し、
傷だらけ鉄打出北京鍋を強火で暖めて、
熱が行き渡ったところで、程良い加減に火を緩め、
敷きつめた油が踊り始める前に、
多少の躊躇もなんのその、一気呵成えいやっ!
茄子は鉄の質感に抱かれ、行きつ戻りつ、
その心底にある諦観を見え隠れさせつつも、
くるりくうるり、万丈の喜びを周囲に振り蒔く事だろう。
それにしたって、
尖塔はとても遠くて、果てしなくて、
とてもじゃないが辿り着けそうに無いが、
茄子が想起された事で、未だ未だ頑張れそうな気がしてきた。
”あの尖塔の最上階には、浜茄子のおじさんが住んでいるのだ”
目の前にある円環状に切り刻まれた歪んだ茄子は
バラック街の火の見櫓みたいじゃあないか。
煌煌と輝きを放っているであろうこの矮小な私を
浜茄子のおじさんが見つけてくれるに違いない。
”浜茄子のおじさん”
この、幼い時分の刷り込みは恐ろしいもので、
食卓に”茄子”が挙ろうものなら、周囲の彩りは
たちまちの内にくすんだ鉛色のセロファンに覆われ、
茄子だけが生き生きと放埒気ままに揺蕩い、
茄子以外の食材の味が分からなくなってしまうんだ。
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20:23
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Takumimi
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あるく
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出生から年齢、生業、住居、国籍と、
性別以外全てが謎に包まれた、なんと云うか、
”世渡り上手なルンペン”、と云った
風体風情の、自称「浜茄子のおじさん」。
バラック街の迷路のように入り組んだ路地辻角を、
彩り豊かな果物を満載にした、ぴかぴかの猫車を
軽やかにこなれた所作を以て、駆け抜けていったり。
影追いや、影踏み遊びの最中に、
影の中で微笑みを浮かべている姿が噂になったり。
火の見櫓の上でしか興行を行わない
浜茄子一座の座長を務めていたり。
変化物を奏するその姿は一見の価値あり。
三業兼任の素人文楽は魔法のよう。
挙げれば切りがないおじさんの噂。
ただ、幾ら噂を集めても一個の個人としての
有り様が浮かび上がってくる事はなかった。
ところでこの、バラック街を埋め尽くさんと、
猛烈な勢いで増殖してゆく火の見櫓群。
制作者も不明なれば、いつ作られたのかも判らない。
大体、火の見櫓の機能を果たしていない。
こんなに増えてしまっては、何処からも、
他の櫓しか見えないんだからどうしようもない。
火の見櫓交通網なんてものを想像して悦に入ってたっけ。
ときに、何処からか立ちのぼって
霞のように拡がった、とある”噂”がある。
”おじさんの住居を
見つける事に成功した者は、
聞いた事もみた事もない、
理想の彼の地、桃源郷、
ゆうとぴあへの行き方を
こっそりと教えてもらえる”
浜茄子のおじさんは一個の娯楽商品となった。
彼をどこまで追跡出来るかを競う老若男女、
情報屋に、博打興行、便乗商売。
皆、忙しなく街中駆けずり這いずり廻った。
探して見掛けて後追い掛けまわすも、
角を曲がれば何処にもおらず。
「成果は芳しく無くとも、その過程が大事なんだ。」
どこかの権威がおじさんを例に挙げて、
声高にこんな事を言ったものだから、
義務教育課程の履修科目に
「おじさんとおにごっこ」なんてものが加えられる始末。
さて、当事者たるおじさんはどうしていたか。
相も変わらず其れ迄通りではあったのだが、
櫓興行に連日の宴は大盛況の大にぎわい。
其れ以外は、対岸の火事の如く、
驚く程の無関心振りであったそうだ。
櫓の下には死人が埋められている。
転じて、櫓の下には埋蔵金が埋められている。
こんな噂が流れた事もあった。
至極当然、櫓の周囲が掘り返された。
結果、用水路が普及する初端を担い、
中には温泉を掘り当てた者もいた事から、
一部の櫓では、足湯につかる事が出来るようになった。
追跡者はバラックの迷路と櫓の林廊に迷い込み、
必然として道行観光食案内、宿泊施設に、
標識看板制作、道路整備に清掃業、果ては闇金貸金、
漏電ガス漏れ窃盗強盗選挙活動その他諸々悲喜こもごも。
闇市の興隆と歓楽街の混在に火の見櫓の乱立とおじさん。
今思うに、
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Takumimi
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あるく
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Takumimi
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あるく
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本編の予告編をswede化したメタ予告編。
自分の作品を一人で再現って......。
この発想とセンスがやっぱり凄いわ。
もう何でもアリな訳で、
ちょっと、何か作りたくなってきた。
▼ Official Site
▼ You Tube
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10:59
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Takumimi
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Takumimi
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